Emacs on Windows¶
概要¶
Emacsは、拡張性が高い高機能エディタであり、UNIX系OS上では2大エディタの一つとして知られています。
Emacsは、GNUプロジェクトで開発・提供されているフリーソフトウェアで、UNIX系OSの他Windows OS向けも提供されています。
導入¶
GNU Emacs の Windows版¶
GNUのFTPサーバーから入手します。次のURLをアクセスすると最寄りのGNU FTPサーバーのWindows向けEmacsのバイナリがリストされます。
http://ftpmirror.gnu.org/emacs/windows
32bit版、64bit版が提供されています。ファイル名にi686が含まれているものが32bit版で、x86-64が含まれているものが64bit版です。ここから最新版のアーカイブを取得します。2019年10月7日現在、emacs-26.3-x86_64.zip
が最新です。
このzipを任意の場所に展開します(例、C:\tools\emacs-26.3
)。
bin\runemacs.exe を実行すると、Emacsが起動します。
(emacs 26.1以前の旧版)IMEパッチ版¶
GNUプロジェクトで公開されるWindows向けEmacs(ビルド済みのバイナリあり)は、日本語入力(IMEによる文字入力)の際に、別ウィンドウが開いてそこでIMEへの文字入力と変換作業を行う振る舞いや(emacs 23)、変換前の文字が表示されず予測変換の候補リストがポップアップされるのみで確定したら文字がEmacs上に入るという振る舞い(emacs 26.1)、という使い勝手の悪さがあります。この使い勝手を解消するため、IMEで日本語入力時にインライン入力ができるようにパッチを当てたバージョンが有志で作成公開されています。
http://cha.la.coocan.jp/doc/NTEmacs.html
設定ファイル¶
設定ファイルは、デフォルトでは%APPDATA%\.emacs.d フォルダの下に置きますが、環境変数HOMEが設定されていれば、%HOME%\.emacs.d フォルダの下に置きます。
Emacsは、init.el の名前で置いたファイルを起動時に読み込みます。
ファイルエクスプローラーから起動¶
ファイルエクスプローラーで編集対象ファイルを右クリックし、[送る] > [emacs] でEmacsを起動して(既に起動していればそのEmacs上で)ファイルを開くようにします。
%APPDATA%\Microsoft\Windows\SendTo
をエクスプローラーで開く- NTEmacsインストールディレクトリのbin\emacsclientw.exe のショートカットを上述フォルダに作成する
- そのショートカットのプロパティを開き、リンク先にオプションを追記する
C:\tools\emacs-26.3\bin\emacsclientw.exe -n --alternate-editor=C:\tools\emacs-26.3\bin\runemacs.exe
init.el等で、emacs serverを起動する設定を記述
;; emacs server for emacsclient (require 'server) (unless (server-running-p) (server-force-delete) (server-start))
追加パッケージの導入方法あれこれ¶
Emacsは拡張性が高いエディタで、膨大な拡張パッケージが存在しています。これら拡張パッケージをインストールするには、古来から使われている、必要な拡張パッケージ
(Emacs Lispファイル)を手動でダウンロードし、所定のディレクトリに配置し、設定ファイル(.emacs)に記述するという手間のかかる方法があります。最近では、パッケージ管理機能を用意して、ダウンロードと設定を自動化する方法がいくつか登場しています。
straight.el によるパッケージ管理¶
最近(2017年)登場した新しいパッケージ管理機能です。MELPA、GNU ELPA、EmacsMirrorなどのパッケージホストを利用でき、Gitベースで管理します。
https://github.com/raxod502/straight.el
straight.elのインストール¶
gitコマンドへのパスが通っている環境で、初期ファイルに次を記述します。
(defvar bootstrap-version) (let ((bootstrap-file (expand-file-name "straight/repos/straight.el/bootstrap.el" user-emacs-directory)) (bootstrap-version 5)) (unless (file-exists-p bootstrap-file) (with-current-buffer (url-retrieve-synchronously "https://raw.githubusercontent.com/raxod502/straight.el/develop/install.el" 'silent 'inhibit-cookies) (goto-char (point-max)) (eval-print-last-sexp))) (load bootstrap-file nil 'nomessage))
emacsを起動し直すと、straight.elの初期設定が走ります。
手動でインストール¶
ddskk¶
仮名漢字変換。
- ddskkの入手(2019.10.13現在、ddskk-16.2.tar.gz が最新)
http://openlab.ring.gr.jp/skk/maintrunk/ - 辞書ファイルの入手(サイズ別、一般的にはSKK-JISHO.L を使用)
http://openlab.ring.gr.jp/skk/skk/dic/
- ddskkを作業ディレクトリに展開
- 辞書ファイルを、ddskk展開下のdicフォルダにコピー
- ddskk展開下のmakeit.batを編集する(emacsのインストール先にあるemacs.exeの絶対パスを記述)
- set EMACS= + set EMACS=c:\gnu\emacs-26.3\bin\emacs.exe
- コマンドプロンプトを実行し、ddskk展開ディレクトリへ移動し次を実行
makeit install
設定ファイルへの記述は不要です。C-c C-j で変換モードに入ります。